管理者
去る2020年4月1日、内科根本医師が新病院長に就任いたしました。
根本先生は昨年来、非常に熱心かつ丁寧な診療を行う一方で、スタッフに優しく、大いに織田病院内科のレベルアップを果たしています。
今回予てから待ち望まれた根本先生の病院長就任により、織田病院内科の内科・整形外科のバランスがとれた診療体系が確立したことを、大変うれしく思っています。
地域医療振興協会の病院においては、病院長が診療の管理者が経営の責任を負うこととされており、今回コロナショックで内科部門の負担が急増する中、まことに時期を得た内科病院長の誕生と申せましょう。
また私に関しましては、色々流言などがありますが、管理者兼病院長より、管理者専任となっただけで、今後も織田病院に腰を据えて診療手術を継続してゆく所存ですので誤解の無いようにお願いいたします。余所に転勤するようなことはありませんから、安心して今後も当院で手術を受けて頂ければ幸いです。
織田病院は今後も地域の医療と安心を守るため、常に改善を行いながら存続していきます。地域の方々が安心して身を任せることが出来るように鋭意努力を継続してゆきますので、今後も末永いお力添えをお願いいたします。
管理者 津向伸哉
病院長
皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。このたび 2020年4月1日付けで公益社団法人地域医療振興協会 越前町国民健康保険織田病院 病院長を拝命いたしました。ここに謹んでご挨拶を申し上げます。
織田病院の歴史は、昭和27年国民健康保険直診病院として国民健康保険織田病院から始まりました。幾たびの変遷を経て、平成24年に指定管理者制度への移行により指定管理者が地域医療振興協会となり、前任の津向伸哉現管理者が管理者兼病院長として就任致しました。津向前病院長は、越前町唯一の公的な急性期病院という役割を果たすべく、従来の急性期・亜急性期医療に加えて、在宅医療と介護を推進し、織田病院をさらに発展させました。
高齢化した越前町地域における整形外科疾患に対する医療ニーズは極めて高く、寝たきり防止のために変形性関節症、長管骨骨折および脊椎圧迫骨折等に対する整形外科的治療を積極的に行い、健康寿命の延長に貢献してきました。
一方、慢性的な内科医不足により、これまで提供できる内科的医療が限られ、安心して任せられる体制は十分とれてきませんでした。高齢化および過疎化が進んでいく越前町にとってこれからますます内科診療に対する期待が高まってきます。このような状況を解決すべく津向前病院長が福井大学医学部とさらに密な連携を模索し、指定管理者の地域医療振興協会の理解の下、福井大学医学部内科学(2)分野中本安成教授のご尽力で今回の病院長就任の運びとなりました。
織田病院の理念は、公平公正な地域医療を実践し、全ての地域住民の、心身共に健康な生活と、地域の発展を支援することです。人間の生活の基本は衣・食・住となっています。しかし、文明化した現在社会において、人間は社会的動物であり、その基本は医・職・住ではないかと言われています。医は医療、職は仕事です。この2つがないと地域は健全に発展することはできません。
当院は2019年9月26日厚生労働省から再編統廃合について特に議論が必要とされる公立、公的病院の424病院の1つとして公表されました。もちろん、越前町は地域住民の医療体制および健康を守るため存続の方針を示しています。遅きに失していますが、2020年3月WHOにより新型コロナウイルスによるパンデミックが宣言され、世界は戦後最大の危機に陥っています。このような状況にあって生命を守る医療は改めて見直され、地域医療のあり方も変わるのではないかと思います。
地域住民にとって安心して任せられる病院になるために、そして越前町というコミュニティーを支えていくために日々努めていきたいと考えております。
令和2年度の目標として以下をあげました。
安心して任せられる地域の公立病院 −存続する価値のある病院をめざして−
- 断らない医療の実践
- 健全な病院経営
- 医療人としてのプロフェッショナル意識の向上
- 働きやすい職場環境の整備
- 医療情報の啓蒙/病院情報の外部発信
最終目標は地域住民と職員の幸せになるのではないかと思います。
これからは患者を診るだけではなく、病院をマネージメントしないといけない立場になりました。マネージメントの神様Peter F. Druckerの言葉によるとマネージメントする人にできなければならないことは、そのほとんどは教わらなくても学ぶことができるとされています。
しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することができない資質、始めから身につけておかなければならない資質が一つあるそうです。それは真摯さだそうです。どんなに知識があっても、どんなに才能があっても、どんなに仕事ができても、真摯さがなければ組織は腐敗するとあります。
与えられた職責を全うできる資質があるのかわかりませんが、これまでの経験を生かし、さらなる病院の発展のために微力ではありますが努力していく所存です。今後ともご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。
病院長 根本朋幸